現役小学校教員裏話 クラス替えはどうやって決めている? 仲の良い友達は離されるってほんと?
春。入学式、始業式が終わり新しい年度がはじまりました。
ワクワク、ドキドキのクラス替え。
娘も月曜日クラス替えがありました。
さて
クラス替えって誰がいつ、どのようにしているかご存知ですか?
仲のいい友達は離される?
それってホント?
今日はそんなクラス替えの裏話を書きたいと思います。
※この記事は私の経験で書いていますので、他の学校では異なることがあります。
クラス替えの考え方の基本
基本的に、各クラス偏りがないように考えます。
誰が決めるのか
前学年担任団+管理職です。
例 新6年生2クラスなら5年生の時の担任2人と管理職(教務+教頭+校長)
クラス替えの方法
三学期になるとまず担任は現在持っている自分のクラスの子どもたちを2つに分けます。
- 男女比
- 成績、学力 (中学受験をするしないも含め)
- 運動能力 (マラソン大会、運動会などで差が出にくいように)
- リーダーシップ
- 身体的配慮 (アレルギー、発作など。場合によっては支援の先生の関係で意図的にクラスを一緒にすることもある。)
- 発達 (ADHD、アスペルガー症候群、自閉症など。場合によっては支援の先生の関係で意図的にクラスを一緒にすることもある。)
- 家庭環境、親の質 (母子家庭、父子家庭、虐待傾向、学校への感情的欲求の有無など。)
がだいたい均等になるようにします。
その上で→
友達関係で配慮のいる子を操作(不登校傾向、友達をつくるのが苦手、いじめ、ケンカ、問題行動など)。
2クラスの場合、2つに分けたクラスを仮ABとして、同じく隣のクラスで考えられた仮CDと合体させて、新しい仮1組2組が作られます。
さらにそこから、過去に遡り(重大な時は就学前の人間関係まで)友達関係の配慮が必要な場合操作。
できた仮1組2組をもって担任団+管理職でさらに確認。
正直パズルです。
すっごく頭使います。
子どもや新担任の1年間が左右される大事な事なのですっごく時間をかけて、子ども一人ひとりになったつもりで、この新クラスで楽しく過ごせそうか考えます。この時点で新担任は決まっていないので、誰でも担任できるクラス編成を考えます。
ですので、単純に仲の良い子同士を離せば良いとは限りません。子どもによっては仲の良い子と意図的に同じクラスにすることもあります。
仲の良い子同士をわざわざ離す時は、たまたま平等にする過程で離れてしまったか、もしくは毎日限られた友達関係の中で過ごしすぎていて人間関係を広げてあげたいと考えた担任の優しさかもしれませんね。
さて、ここまでは一般的な問題のないクラスの話です。
実際にはこううまくはいきません。
特に高学年にもなると、過去の人間関係が複雑化し、様々しがらみが増えてきます。「ほとんどの子がA君と過去にモメていてA君と同じクラスにできない!」みたいな事にもなります。その場合、必然的に、A君と同じクラスでも問題のない子どもたちを集めたA君対応のクラスと、過去にA君ともめたA君NGの子どもたちを集めたクラスの2クラスになってしまいます。そんな場合は、偏りが出る場合もあります。
担任の決め方
一般的には、管理職が決めます。決まるのは3月の終わり頃。人事が発表された頃です。
一応どこの学年を担任をしたいか、校長から聞かれます。希望があれば言うこともありますが、大体「お任せします」と伝えることが多いです。
子育て中の先生は、宿泊行事などを避けるため、低学年を希望することも多いです。
また、若手の先生の中には、まだ経験したことのない学年を希望し、先生としての資質能力を上げたいと言う人もいます。
その後、学年が決まれば、同じ学年の先生同士で、どのクラスを持つか話し合いをし決めます。大体、特に重点的に配慮の必要な児童生徒がいるクラスを経験豊富な主任の先生が持つ傾向にあります。
伝えたいこと
今回お話ししたのは、私が経験したクラス替えの仕方です。都道府県や各学校、先生でやり方は様々だと思いますが、どのような方法をとるにせよ、先生方は次の学年の子どもたちが一人一人楽しく輝けるように、一生懸命時間をかけクラスを考えていることに変わりはありません。
たまに、親の中には
「今年のクラスはハズレだ。」だの「今年の先生はハズレだ。」
となどと言う人がいます。
クラス替えをまるで、くじ引きかのように言う親がいるのです。
心の中で思うのは自由です。ただ子どもの前で言葉に出すのやめて欲しいのです。
子どもはよく親の言葉を聞いています。
親にハズレと言われた子は、クラスに不平不満を言うようになります。何かうまくいかなくなった時は、「先生のせいだ、クラスのせいだ。」と言うようになります。先生やクラスがはずれだから、うまくいかないんだと思うのです。
そんな子は先生や友達の話を聞かなくなります。
ますます、周りは離れていき、うまくいかなくなります。
そして、その子にとって本当の「ハズレクラス」になってしまうのです。
まとめ
どうだったでしょうか。
クラス替えから、担任決めまでお話ししてきました。
決してくじ引きで決めているわけじゃないのは、わかっていただけたでしょうか。
単純に仲の良い友達と離しているわけではないと、わかっていただけたでしょうか。
さてさて、私事ですが。
私の娘は1番仲が良かった子がこの春転校してしまいました。来年には帰ってくるらしいのですが、1番友達関係が難しくなる5年生を1番仲の良い子なしで迎えました。とても不安がっていました。「私に友達ができるだろうか。宿泊行事は誰と一緒に行こうか。」
でも私は少し期待しています。1人の子とずっとべったりだったので、人間関係が広がるんじゃないかとワクワクしています。子は親が思うより強いと思います。早速今日は新しい友達と公園に遊びに行く約束をしてきました。
残り少ない小学校生活を楽しんでほしいと思います。
ではでは、今日は真面目なクラス替え裏話でした〜